CHARLOTTESVILLE |
VIRGINIA |
(CVS) |
シャーロッツビル駅は街中に位置していて、駅のすぐ西側にはバージニア大学があり、ここからカーディナル号の西行き(シカゴ行き)に乗るとその大学の敷地内をしばらく走ります。 駅舎はサザン鉄道(Southern Railway)によって1885年に建てられたもの(1935年に改装あり)が健在で、最近になってきれいに改修され、現在はレストランとして使われています。 その駅舎のすぐ東に隣接して建てられている旧荷物取扱所の建物があり、こちらも1999年2月9日に改修・改造されてアムトラックの駅舎として使用されています。 あまりにきれいに改造しすぎて昔の面影はありませんが、白基調で統一された内部は明るい雰囲気で清潔感があり、居心地の良い待合所でした。 シャーロッツビルにはもうひとつ旧チェサピーク&オハイオ鉄道(C&O)の駅舎があります。 その C&O の駅舎の所在地は 「600 East Water Street」 でアムトラックの駅から東へ1キロほどの所にあります。 C&O の駅舎は1905年に建てられたコロニアルスタイルの建物で、1990年に改修され現在は会社の事務所として使われています(1974年当時の写真を下に掲載しています)。 アムトラックはこの駅舎を1979年1月まで使用していました。 現在のシャーロッツビル駅は1979年1月までサザン鉄道の駅として使用しており、サザン鉄道のクレセント号がアムトラックに移管された1979年2月から正式にアムトラック駅となった経緯があります。 そのため当時の時刻表にはふたつのシャーロッツビル駅が載っており、ひとつがアムトラック(C&O)の駅、もうひとつがサザン鉄道の駅でした。 アムトラックの列車はその両方に停車し、サザン鉄道の駅では乗継ぎ客の連絡をしていました。 シャーロッツビルはカーディナル号とクレセント号(NEリージョナル号はクレセント号と同じ路線)の合流駅なのですが、その合流の仕方がちょっと複雑で若干の説明を要します。 アムトラックの路線図だけをみると、西のシカゴから来たカーディナル号はここシャーロッツビルで南から来たクレセント号の路線と合流し、ワシントンDC方面(北)へ向けてクレセント号と同じ路線を走るかのように描かれています。 しかし実際にはルートの略図を見ると分かりますが、カーディナル号とクレセント号は Orange (オレンジ)という貨物駅までそれぞれ別の路線を走ります。 これはカーディナル号が Buckingham Branch Railroad (BB)、そしてクレセント号が Norfolk Southern (NS)と別会社の路線を使っているためで、西から来たカーディナル号はクレセント号の走る NS の路線を平面交差で横切り、シャーロッツビル駅の2番線に到着し、そのまま東へと進み大きく迂回をして北にあるオレンジ貨物駅へと向かいます。 クレセント号は南から来るとカーディナル号の走る BB の路線を平面交差で横切り、シャーロッツビル駅の1番線に到着し、その後オレンジ貨物駅へ向けて北進します。 このようにシャーロッツビル駅では1番線がクレセント号、2番線をカーディナル号が使用しています。 1番線のプラットホームは舗装もきれいですし、照明灯も金属製のものを使用していて良く管理されているのですが、2番線はホームの舗装は荒れているし、照明灯も木製、線路もまるで引込線のような荒れ具合で保線というものがされている様子は全くありません。 この1番線と2番線の格差があまりにも大きいので少々不安になります。 保線状態については、シャーロッツビルとオレンジ貨物駅間についてのみ言えば、貨物の輸送密度が NS の路線の方が BB の路線を数倍上回っているのは事実なので、BB の保線状態の方が悪いのは仕方のない事ではあります。 私の不安は 「カーディナル号はいずれ廃止にする予定だからプラットホームの整備などいらない」 とアムトラックが考えているのではないかと感じたからです。 東部で毎日運行していないのはカーディナル号だけ(週3便運行)でありますし、ちょっとこの列車の先行きが気になります。 このカーディナル号とクレセント号の別路線運行はアムトラックの時刻表をよく見ると発見することが出来ます。 確かにアムトラックの路線図だけを見てもこれは発見できないのですが、カーディナル号とクレセント号それぞれの時刻表をよく見ると違いが分かります。 時刻表の駅名の横にマイレージが載っているのですが、そのシャーロッツビルとカルペパー間の距離がカーディナル号とクレセント号では違っています。 その時刻表によるとカーディナル号の方が5キロほどクレセント号より長い距離表示になっていて、カーディナル号は東へ迂回しているので、その分長いということは辻褄が合います。 細かい芸当をしているなと、この時は少し感心しました。 ただしこのような距離表示の相違は単なるミスプリントと考えてしまう人も多いと思いますが。 最後にこの駅が持っているアムトラックのナンバーワンを紹介します。 「Charlottesville」 の字数(アルファベット)を数えると15字になり、これはアムトラックの中にある単語ひとつの駅名の中では最も字数の多い駅ということになります。 日本では最も長い駅名というのは鉄道ファンから結構注目を浴びますが、アメリカではそれほど騒がれるものではないようです。 |
駅情報: |
所在地 |
810 West Main
Street |
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経緯度 |
北緯38.03度 西経78.49度 |
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標高 |
147m |
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人口 |
43475人 (2010年度統計) |
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駅員 |
有人駅 |
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営業時間 |
6:00 - 21:30 毎日 |
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駅舎 |
石造駅舎、1885年建造 |
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乗降客数 |
111602人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ New York, NY - Indianapolis, IN - Cincinnati, OH - Chicago, IL ] |
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[ New York, NY - Charlotte, NC - Atlanta, GA - New Orleans, LA ] |
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[ Boston, MA - New York, NY - Washington, DC - Roanoke, VA ] |
2009年7月訪問 |
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駅舎正面(現在はレストラン) |
アムトラック駅舎(旧荷物取扱所) |
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アムトラック駅舎(東側) |
アムトラック駅舎(ホーム側) |
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待合所とチケットカウンター(右) |
駅名標 |
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ニューヨーク行きカーディナル号到着 |
ニューヨーク方面 (北方向)をのぞむ |
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シカゴ方面(西方向)をのぞむ |
ニューヨーク方面 (東方向)をのぞむ |
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2002年5月訪問 |
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駅舎正面(現在はレストラン) |
アムトラック駅舎(旧荷物取扱所) |
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1番線の駅名標 |
待合所とチケットカウンター |
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ニューヨーク(北)方面 (1番線) |
ニューオリンズ(南)方面
(1番線) |
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ニューヨーク(東)方面 (2番線) |
シカゴ(西)方面
(2番線) |
アムトラックシャーロッツビル駅、現在は左側の倉庫を駅舎に改造し使用している (1987年) サザン鉄道のクレセント号がアムトラックに移管された1979年2月からこの駅舎を使用。 アムトラックは1979年1月まではサザン鉄道乗継ぎ目的だけにこの駅に停車していた。
C&Oシャーロッツビル駅、現在のアムトラック駅から東に1キロに所在 (1974年8月) アムトラックはこの駅舎を1979年1月まで使用、 1979年2月サザン鉄道のアムトラック移管に合わせ現駅に移転。 |
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