THURMOND |
WEST VIRGINIA |
(THN) |
サーモンド駅に前知識もなく訪れてみると、なぜこんな所に駅があるのだろうという疑問が浮かびます。 車で行くと曲がりくねった細い道を10キロ以上も進んだ行き止まりの山深い所にこの駅はあります。 チェサピーク&オハイオ鉄道(C&O)によって開業したこの駅は、1900年から1920年にかけて石炭産出の基地として最も栄えます。 その当時、1日14本の旅客列車が発着し年間乗降客は9万人にも達しました。 しかし1930年以降は石炭産業の衰退とともにサーモンドも同じ道を歩みます。 現在のサーモンドは人口5人(2010年センサス調査)で廃村同様です。 そんな落ちぶれてしまったサーモンドですが、この不便さゆえ近代化の波はここまで届かず、周囲は昔からの環境を保っています。 今ではその近代化によって疲れてしまった人たちの憩いの場として、この緑豊かなサーモンドが再び脚光を浴びています。 周辺の自然には魅力がありますが、列車を利用して訪れる人は稀なようで、2013年度の年間乗降客はわずかに563人となっています。 いつもテキサス州サンダーソン駅と共にアムトラックの中で利用客が最も少ない駅の座を争っています。 駅舎は1904年に建てられたもの(開業は1905年)が現存していて、1995年にきれいに改装され、今は New River Gorge National Park Service が管理するビジターセンターになっています。 この駅舎は限られた土地を有効に使うために東西方向に狭く、線路に沿った横幅を長くした形をしています。 駅舎の色はチェサピーク&オハイオ鉄道時代の1920年代から30年代の初めに使われていたクリーム色を再現しています。 この駅の1900年の設計図が1988年に復元、公開されていて、精密な図面がダウンロードも出来ます。 興味のある方はこちらからどうぞ。 そのビジターセンターには昔の駅で使用していた多くの鉄道関係の品々が展示されていて、鉄道好きの人も楽しめます。 私が訪れた時も夏休み時期だったこともあり家族連れなどで賑わっていました。 駅内部を観察しているときに外から汽笛が聞こえてきたので出てみると、ワシントンDC行きのカーディナル号(現在はNY行き)がゆっくりと通過していきました。 ここはフラッグストップの駅なので利用客がないときは通過してしまいます。 列車の時刻など全く意識していなかったので不意を突かれた感じで写真を撮る暇がありませんでした。 しかし週3便運行の列車にここで会えたというのは幸運なことであります。 列車内の人々は皆窓の外を眺めていて、このNew River の渓谷美を楽しんでいました。 うらやましい限りです。
Thurmond Depot
Visitor Center |
駅情報: |
所在地 |
Chesapeake &
Ohio Depot |
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経緯度 |
北緯37.96度 西経81.08度 |
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標高 |
327m |
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人口 |
5人 (2010年統計) |
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駅員 |
無人駅、フラッグストップの駅 |
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駅舎 |
木造駅舎、1904年建造 |
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乗降客数 |
563人 (2013年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ New York, NY - Indianapolis, IN - Cincinnati, OH - Chicago, IL ] |
サーモンドはフラッグストップの駅 |
駅舎内に飾ってあった1915年の駅風景 |
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北方向(シカゴ方面)をのぞむ |
南方向(ニューヨーク方面)をのぞむ |
2008年6月 |
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