ジョリエットはシカゴから50キロほど南西にある郊外都市で、シカゴからのコミュータートレインのメトラ（METRA）が乗り入れています。　メトラは2路線が乗り入れしていて、ちょうどこの駅で十字に交差しています（2路線ともこの駅が終点です）。　アムトラックとメトラは駅舎を共用していますが、アムトラックには専用の待合所があり、係員の駐在する有人駅となっています。　アムトラックは長距離列車1往復と短距離列車の全列車が停車します。　今となっては通勤鉄道の駅としての役割が大きいですが、駅舎は1912年建造のユニオンステーションを使用していて、石造りの堂々とした建物です。　シカゴ・ロックアイランド＆パシフィック鉄道（Chicago, Rock Island & Pacific Railroad - CRI & P）、アチソン・トピカ＆サンタフェ鉄道（Atchison, Topeka & Santa Fe Railway - AT＆SF）、ガルフ・モービル＆オハイオ鉄道（Gulf Mobile & Ohio - GM & O）で使用していたユニオンステーション（合同駅）です。　アムトラックの待合所や列車の乗り場周辺は近代化されていますが、1階部分には昔のチケットカウンターがそのままの状態で残っています。　この駅周辺は高架になっているので、列車の乗車は2階からになります。　

駅のすぐ北東側には立派な野球場（Silver Cross Field）が建っています。　といってもこれは日本でも有名なメジャーリーグの球場ではなく、独立リーグというちょっと変わったリーグのチーム（Joliet Jackhammers）が所属しています。　アメリカのプロ野球界は複雑で多種多様あります。　有名なものではもちろんメジャーリーグで、野球界のトップとされているリーグです。　その下にはマイナーリーグがあり、そのレベルも上からAAA、AA、A となっていて、それぞれの中でさらに地域別などに細かく分類されていたりします。　そのメジャー、マイナーのどこにも属さないのが独立リーグです。　私の友人が独立リーグのチームで働いていたことがあり、いろいろと実情を聞くと、やはり経営的に苦しいチームがほとんどで、翌年の存続は誰にも分からないという状況だそうです（アムトラックと同じだ）。　それはさておき、このジョリエットの球場が、アメリカの鉄道雑誌「TRAINS」に取り上げられたことがあります。　鉄道雑誌がなぜ野球場のことをと思いますが、実はこの球場からジョリエットの駅が一望できるそうです。　そういえば観客席は高いところにありますからね。　野球と鉄道の意外な接点、列車を見るためにマニアックな独立リーグの試合に行く、というのも面白いですね。

駅情報：

所在地

50 East Jefferson Street
Joliet, IL 60431

経緯度

北緯41.52度　西経88.08度

標高

165ｍ

人口

123570人

駅員

有人駅

営業時間

7:30 - 15:00　毎日

駅舎

石造り駅舎、1912年建造

乗降客数

23585人 （2005年度）

アムトラック列車情報：

LINCOLN SERVICE

[ Chicago, IL - Bloomington, IL - Springfield, IL - St. Louis, IL ]

TEXAS EAGLE

[ Chicago, IL - San Antonio, TX - Dallas, TX - Los Angeles, CA ]

都市鉄道情報：

METRA

コミュータートレイン

駅舎正面
2002年5月1日

駅舎ホーム側 （2階部分）
2002年5月1日

ホームへの通路 （駅舎2階部分）
2002年5月1日

昔のチケットカウンター（1階）
2002年5月1日

アムトラック待合所入口（1階）
2002年5月1日

アムトラックのチケットカウンターと待合所（1階）
2002年5月1日

シカゴから到着したメトラ。　裏は野球場。
2002年5月1日

セントルイス方面（南方向）をのぞむ
2002年5月1日