アムトラック駅の正式名称は「ラ・グランジ」（La Grange）ですが、この駅のすぐ西にラ・グランジ・ストーン・アベニュー駅というコミュータートレインのメトラ（METRA） の駅が存在するため、アムトラックでは混乱を避けるためラ・グランジ・ロード駅といっています。　前述の通りこの駅はコミュータートレインのメトラ（METRA）も共用しています。　メトラは本数多く運行されていますが、アムトラックは短距離列車2往復のみが停車し、長距離列車は通過します。　アムトラック係員のいない駅なので、アムトラックとしては無人駅となります。　ここはシカゴからひとつ目の駅ですが、それはアムトラックについてのみで、メトラはこの約22キロの区間に11の駅が詰まっています。　シカゴ・バーリントン＆クインシー鉄道（Chicago Burlington & Quincy Railroad - CB&Q）のレンガ造りの古い駅舎を使用していますが、内部は近郊鉄道用に近代化されています。　細かいことですが、アムトラックの駅名は「La Grange」。　「La」と「Grange」が離れていますが、メトラの駅名は「LaGrange Road」と「La」と「Grange」の間のスペースがなくなり一文字になっています。　そしてホームに立っていた駅名標を見ると、「Road」が抜けた「LaGrange」となっています。　「La」と「Grange」が離れていないので、メトラの駅名標なのでしょう。　とにかく統一感の無い駅名です。

ラ・グランジ・ロード駅からクインシー方面（西方向）をのぞむと、すぐ近くに別のプラットホームが見えます（西方向を撮った写真にかすかに白く写っています）。　その距離わずか200メートルほどです。　最初私はラ・グランジ・ロード駅は移転してその古いホームが西側に残っているのだろうと思っていました。　確認するためにそのホームまで観察しに行くと、なんとそれは別の駅でした。　この駅は冒頭で説明したメトラの「LaGrange Stone Avenue」（ラグランジ・ストーン・アベニュー）という駅で、「LaGrange Road」（ラグランジ・ロード）駅とは別物でした。　下の写真がストーン・アベニュー駅ですが、この駅にも1901年建造の古い駅舎が残っていて、両駅が昔から存在していたということが分かります。　この2駅をこれだけの至近距離に設置した理由は一体なんであったのか、非常に興味深いのですが、今のところは謎となっています。　この両駅は本当に近いのですよ。　駅舎間で約400メートル、ホームの先端からの距離だと200メートルくらいしかありません。　ほとんど路面電車並みの駅の造り方です。　全米のコミュータートレインの中で一番近い駅間は知りませんが、ここはかなりの上位に入ると思います（ひょっとするとNo.1かも）。　メトラの時刻表を見ると、この短い区間を3～4分で結んでいます。　距離からするとかなり時間を取っていますが、メトラは1車両に1箇所しか扉がないので乗降に時間がかかるからなのでしょうか。

駅情報：

所在地

25 West Burlington Street
La Grange, IL 60525

経緯度

北緯41.82度　西経87.87度

標高

195ｍ

人口

15550人 （2010年統計）

駅員

無人駅

駅舎

レンガ造り駅舎、1926年建造

乗降客数

15120人 （2012年度）

アムトラック列車情報：

CARL SANDBURG

[ Chicago, IL - Galesburg, IL - Quincy, IL ]

ILLINOIS ZEPHYR

[ Chicago, IL - Galesburg, IL - Quincy, IL ]

都市鉄道情報：

METRA

コミュータートレイン

駅舎正面
2002年5月1日

駅名標
2002年5月1日

クインシー方面（西方向）をのぞむ
2002年5月1日

シカゴ方面（東方向）をのぞむ
2002年5月1日