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Amtrak - Everett, WA (EVR)



EVERETT
WASHINGTON
(EVR)


エベレットは、南はタコマから続くシアトルを中心とした北西部メトロエリアの北端に位置しています。 現在の駅舎はサウンダー(コミュータートレイン)乗り入れのため、2002年2月4日に新築されたトランスポーテーションセンターで、アムトラックも旧駅から移転しました。 バスターミナルも共用しているので、エベレットの公共交通の中心地として発展することが期待されています。 また面白いことに大学の教室もこのセンターに入っていて、文化面の充実も図ろうとしています。 たしかに大学としては交通の便が良いということは生徒の増加につながるし、交通機関としては乗客の増加につながるという双方に利益のある案といえます。 駅に学校というこの新しい試みは吉と出るかどうか成り行きに注目したいところです。

エベレットは北のバンクーバーへ向かう路線(カスケーズ号)と東のシカゴへ向かう路線(エンパイア・ビルダー号)との分岐駅です。 東行きのエンパイア・ビルダー号はここからカスケード山脈の峠越えに挑みます。 カスケード山脈北部は冬には太平洋側から吹き込む湿った空気がこの山脈にぶつかり多量の雪を降らせるためアメリカでも有数の豪雪地帯となっていて、さらに東にあるロッキー山脈越えよりも難所とされています。 そのためこの峠にはアメリカで最長のカスケードトンネル全長12542m 1929年1月12日開通があります。 このトンネルの完成によりそれまで4292mのサミットトンネルで越えていた旧線が置き換えられ、時間短縮はもちろん雪崩などの防災面でも強化されたことはいうまでもありません。

エベレットというと世界最大の航空機会社であるボーイング社の組立工場があることで有名です。 その旅客用ジェット機の組立工程は見学することが出来ます。 私も一度訪れたことがありますが、2時間待ちだったので時間的制約から諦めたことがあります。 いま思うとやはり行っておけばよかったと後悔しています。 ちなみにこの工場の建物は敷地面積では世界最大の建築物だそうです。

 

再訪記:
エベレットの旧駅舎はバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(BNSF-貨物鉄道会社)の建物で、ピュージェット湾に面した高台に位置していました。 クリーム色の平屋の駅舎は田舎駅の雰囲気がして結構気に入っていたのですが、2002年2月4日に総合的なトランスポーテーションセンターが完成したためにアムトラックもそちらへ移転しました。 旧駅舎の場所が湾への崖沿いという手狭な所にあったため、2キロほどバンクーバー寄りの平地に公共交通のための新しい施設を造りました。 シアトル(南)からの列車で来ると、まず右手に旧駅舎を通り過ぎ、その後180度Uターンするような形で新駅へ到着します。 このような配線から、シカゴ方面に向かう列車は線形がよくスムーズに出れますが、バンクーバー方面に向かう列車は駅を出ると、かなりきつい曲線で再び180度Uターンして北の進路を取ることになります(下図参照)。

私が訪れた2003年6月の時点では、旧駅舎はまだバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道が事務所として使用していて健在でした。 旧駅舎は町はずれの寂れた所にありましたが、新駅舎はかなり開けた所に位置していて、長距離バスのグレーハウンドやローカルバスのターミナルも共用しているので、多くの人がいて活気がありました。 新駅舎のデザインは、全体的にはレンガ造り風の落着いた雰囲気に仕上げていますが、建物の中央部分にはガラスを多用した吹き抜けの造りになっていて、その窓越しから入る光で待合所は明るく、天井が高いために開放感があります。 この駅舎の2階から上の部分は大学の教室となっています。 こんな駅は見たことがなく、今回の訪問もこの駅の大学を見ることが一番の目的でした。 いったい何という大学が入っているのか非常に興味があり、たぶん私立の大学だろうと思いながら、2階にある事務所に入っていきました。 事務所には受付(アドバイザー)の人がいましたが、先客に何やら説明をしていて時間が掛かりそうだったので、一人でぶらぶらと案内書などを見ていました。 その案内書によると、ここには単一の学校が入っているという訳ではなく、このエリア周辺にある数多くの大学の授業がこの場所で受けられるというシステムのようです。 いわゆる大学の授業の出張サービスという感じで、駅ではそのスペース(教室)をそれぞれの大学に貸し出しているという訳です。 どれだけの生徒がいるのか分かりませんが、授業のスケジュールによるとかなりの授業数があり、この数を見る限りでは結構はやっているのではないかと思います。 事務所を出て2階部分から待合所を見下ろすと、駅にいるというより大学にいるような錯覚を感じました。

 

駅情報:

所在地

3201 Smith Avenue
Everett, WA 98201

Map

経緯度

北緯47.98度 西経122.20度

標高

24m

人口

103019人 (2010年 統計)

駅員

有人駅

営業時間

07:30 - 12:30 毎日
14:00 - 18:00 毎日

駅舎

近代駅舎、2002年建造

乗降客数

42288人 (2011年度)

 

アムトラック列車情報:

列車名 経路

CASCADES

[ Vancouver, BC - Seattle, WA - Portland, OR - Eugene, OR ]

EMPIRE BUILDER

[ Seattle, WA - St. Paul / Minneapolis, MN - Chicago, IL ]

 

都市鉄道情報: シアトル・メトロエリアの都市鉄道案内はこちらから

名称 種別

SOUNDER

コミュータートレイン



Photo 1 Photo 2

駅舎正面
2003年6月26日

駅舎正面入口
2003年6月26日

Photo 3 Photo 4

駅舎ホーム側
2003年6月26日

駅舎の横にあるバスターミナル
2003年6月26日

Photo 5 Photo 6

待合所
2003年6月26日

待合所 (2階からの眺め)
2003年6月26日

Photo 7 Photo 8

バンクーバー、シカゴ方面 (南方向)
2003年6月26日

シアトル方面 (北方向)
2003年6月26日

旧駅舎(現在はBNSFの事務所)

Photo Old 1 Photo Old 2

旧駅舎正面 (2900 Bond Street)
2001年8月22日

シアトル方面 (旧駅)
2001年8月22日

Photo Old 3

バンクーバー方面 (旧駅)
2001年8月22日




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